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2009年12月30日水曜日

2009総括

年末定番のネタですが、ここでやっておかないと何時やる、という話ですので個人的総括と来年への抱負を。

こういう話は、時系列的にまとめるのが分かりやすいだろうが、そんな昔のことは覚えていないので(その為にブログをつける、というのが本道なのだろう。来年は本気を出す)幾つかカテゴリごとにまとめてみた。


1:仕事
2:WEB上での活動
3:個人的研究
4:今年読んだ本


1:仕事
今年の仕事上の最大の成果は、作業工程に本格的にスクリプトを組み込んだことである。
これは6月の記事にも書いたことだけれど、2009年の本業である「アニメ撮影」においてワークフローの中心にAfterEffectsのスクリプトによる作業の半オートメーション化を導入したのである。

これまでもチマチマ小道具は作り続けていたのだけれど、年の初めに知り合った別件のクライアントさんが非常にシステマチックなスクリプトの使い方をされていて、生来の負けず嫌いを刺激されたためでっち上げてみた。
構想1週間、実装に5ヶ月。
作業工程をシステムとして体系化し、人の手が必要な箇所とルーチンワークで機械任せにしたい箇所を選別、不完全ながらもとりあえず毎週の放映ラインと劇場版を乗り切る程度のものを実現化できた。

まだ改善すべき余地はあるので、春までにはバグフィックスとある程度の状況の変化にも柔軟に対応できるようなバージョン2.0をリリースできるようにしたい。

その過程で、どうやら僕は(映像制作会社に居ながら)映像制作それ自体よりも、そのためのシステムを如何に効率的に構築するか、ということに興味が傾きがちだという事実を再認識させられた。
来年春以降、アニメの撮影というシステムを(一時的に)抜け、もう少し映像制作寄りのスタンスを取らせてもらう予定なのだが、これが吉と出るか凶と出るか、今から楽しみである、と見得を切っておこう。


2:WEB上での活動
そもそもこのブログ自体が2009年2月に始めたものだし。
始めた当初は方向性も文体も内容も特に考えていなかったが、とりあえず現場に入って5年ほど経ったし、今以上に有益な情報を集めるには多少は自分でも発信していかねばなるまい、その為には必然的に自分のネタを増やしていかざるを得ないだろう、これぞ一挙両得の計…くらいの軽い考えで始めてみた。

が、4月に手製のWSHスクリプトを公開してみたところタッチの差でTerraon LifestreamのTerraon氏も同種のスクリプトを公開されて、それがご縁でいろいろ話が弾んだのをきっかけに主にtwitterで業界内外の人と知り合ったり、オフで実際にお会いしたりと、一気にネットワークが拡大。

9月には「アニメ撮影勉強会」的イベントにも参加&無謀にもプレゼンまでやってみた。多少の準備はしていったものの当然ションボリな出来栄えだったが、多数の”highly motivated”な同業者たちの姿を目に出来たのは他に替えがたい体験だった。(刺激が強すぎて朝帰りの電車で鼻血が止まらなくなったくらい)
映像に対する知識、姿勢、そして制作し表現する際の視野の広さ、深さ、方向性などなど衝撃的なことばかり。この経験を消化、吸収し自分の血肉としていくことが現状僕のアニメ制作に対するスタンスとなっている。

結論。ブログでも、twitter(個人的おススメ)でも何でも良いので、まずは声を上げてみることをおススメする。その一言が、見知らぬ誰かの役に立つかもしれない。とりあえず僕が聞いてみたい。


3:個人的研究
こちらは年を跨いでのテーマとなるが、次にやろうとしていることについて。
テーマは「matchmove」と「立体視」。
matchmoveは実際に撮影したカメラの動きを検出して、これに別途制作した絵(主にCG)を合成する技術。実写、3DCG、コンポジット(合成)とオールラウンドな知識と技術が必要になる。
立体視は09年末「AVATER」で有名になった映像の立体化技術。映画の手法としてこれが定着するのか、正直まだ不確定なところはあると思うけど、会社に機材があるのでこれを逃す手も無いかと。

僕は個人的に、ここに更に「音」を絡めたいと企んでいる。どんなものが出来上がるのかまだはっきりとは見えないけれど、映像、音響、プログラミング、全部がここに収斂されるという点だけははっきりしている。スタートと当面の目標(≠ゴール)は見えているのだから、とりあえずはそっちに向かってここから一歩ずつ歩いてみるしかない。


4:今年読んだ本
最後に、既に手元に無い本も多いので、印象的だったものを。

こんな時のために、何かしたらその度に記録をとっておくべきなんだよなあ。来年からはもう少しブログを書くことへのハードルを下げていこう。素人の僕には狙い済ましたヒットより千本ノックが必要な時期なんだろうし。

・ライクハック系
『リファクタリング・ウェットウェア』(Andy Hunt)
『はじめてのGTD  ストレスフリーの整理術』(David Allen)
いわゆるライフハックもの。前者はなかなか定着できず。
後者は現在進行形で読んでいるが、
・頭の中の「気になること」を全て頭の外に追い出す。
・それら全ての「気になること」について、求めるべき結果と
次にとるべき行動を決める。
・そうして決めた、とるべき行動を信頼できるシステムで管理、
定期的に見直す。

という流れは納得できるものである。帰省中に読む予定。

・マネジメント系
now reading…
後者は表題も表紙もインパクト大。果たして内容は…
よく見てるブログで紹介されていたので衝動買いしたもの。(先述のTerraon氏といい、このHash氏といい、才気溢れる若手は非常に刺激的。言葉が手に馴染んでいる感じなどお手本としたい)

・読み物系
まさか自分が余暇に数式を書く時が来ようとは…3巻は今の僕にはちと難しいので一休みしてリベンジ予定。プログラミングと相通ずるものがある気がするのだけれど・・・yoyodyne氏のアレから入ったのは内緒。

TWITTERで教わって購入した本。北京生まれ在フランスの女性作家とシャネル日本法人代表取締役社長との往復書簡。共に自分には無い視点が面白い。フランス語が分かれば原書で読みたいところ。

この辺とか。実家に何故か全巻揃ってたので帰省時まとめ読み。全てに首肯できる訳ではないが、「普遍」を語る氏の言葉はやはり力強い。しかし、「NPO法人わたくし、つまりNobody」という名称はどうにかならんかね。

・小説
何故か突然須賀敦子がマイブーム。あまり長続きしないんだけど。

前作よりはとっつきやすい感じ。「家守綺譚」に近いせいかもしれない。

・マンガ
数年ぶりにマンガを買った。
だって好きなんだもん。安直にアニメ化とかの企画を立てるのはやめて欲しい。あの線は大量生産には向かないよ。

エラいアンバランスになってしまった。実際読んだ本は技術書とかも足して3-4倍程度でしょうか。
まとめて書くと大変なことになるのは身に染みて分かったので、来年はその都度書いていきたいです。


以上、おしまい!!

今年一年、仕事、プライベートにおいて僕に関わってくれた全ての人々に感謝を。
2010は、もう少しアウトプット(形式、内容共に)に重点を置いて活動していきたいと思います。
良いお年を、そして来年も宜しくお願いします。

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