因果応報というか、過去の自分達の仕事が忘れた頃に(しかも絶好のタイミングで)眼前に現れた、というお話。
先週金曜のこと、昨年夏に公開した劇場版アニメのDVDリテイクチェックの為に、久しぶりに監督さん、プロデューサーさんと再開しました。場所は老舗の東京現像所@調布。
(正直、横浜からだとちょっと遠かった…)
年末にDVDリテイクの連絡を受けて、20カット程直してそれっきりだったので正直忘れていた・・・のだけれど、仕事を受けていた当時の会社からは既に退社していたにも関わらず、わざわざ携帯に連絡を頂き、ほぼ半年ぶりの再会となった次第。
昨年中に監督チェックでOKは貰っていたので当日はほぼ見てるだけ。リラックスした雰囲気の中で東現のスタッフさんや監督さん達と久しぶりの会話の方がメインでした。
自分たちや当時関わったスタッフたちの現状、年度末を控えてそれぞれの現場の実情や今後どのように仕事に携わっていくのか…などなど、具体的には書けないけれど、興味深かったり考えさせられる話が満載。
監督さんは僕の5つ上なので、(技量や環境は勿論全然違うけど)その人が今観ている景色は5年後僕が観ることになる景色とどこか繋がっているのではないか、とこれは半分後から気付いたこと。
自分の属する組織や、業界での立ち位置や、仕事を離れた社会人としての周囲への接し方などなど、現段階での自分にはちっとも考え付かないことばかりで、そういう視点を垣間見せてもらえただけでもありがたい機会を貰ったなあ、と。
さて、映像の方は約半年振りに通してみることになったのだけれど、これがまた・・・何というか胃に優しくない感じ。キャラや背景のライティング調整はまちまちだし、素材の旨みを上手く引き出せていない箇所がそこここに。
今だったらもう少しまともな画が作れるかなあ、でも実際に画を作るそのタイミングで出来ていなければ意味が無いし、美術さんやCGスタッフには申し訳ないことをしたな、とは言え当時の自分たちにはあれでなかなか精一杯だった気もする、それにしても、もう少しどうにかできなかったのか・・・と、なかなか穏やかならぬ気分にさせられたのでした。
考えてみればこれまでもこれからも、自分に出来るのはこうした機会を逃さないように耳をそばだてながら腕を磨き、いざ機会を得たら少なくとも前回以上の出来を達成する、それの繰り返ししかないんだな、と。
これまでとは若干仕事の毛色を意識的に変え始めたこの時期に、過去の自分の仕事を通じてそのことを再確認できたのはとてもありがたいことだと思う。もう逃げ場はねえんだよ、覚悟を決めなと言うのは噛み砕きすぎかしら。
こんなことは他の人に伝えたところで何の意味も無い(謙遜ではなく、それぞれが自覚すべきことであろうから)ことだけれど、何かあまりにもタイミングがはまりすぎていてちょっと面白かったので書いてみました。
さてと、たまには技術的なネタでも書いてみたいところ。一月早いエイプリルフールとなりませんよう・・・